満州国演義 風の払暁

船戸与一は私の好きな作家である。

日本の冒険小説 ハードボイルド小説を

切り開いてきた作家だ。

惜しくも2015年4月に亡くなられたのだが

その遺作とも呼べる小説が満州国演義 全9巻である。

2007年に第一巻 風の払暁を新潮社から発刊し

2015年、死の2か月前に最終巻である第9巻を刊行。

晩年の全てのエネルギーを注いだ作品と言っても

良いだろう。

私の中で日本の歴史上最も複雑でわかりにくいのが

満州事変から第2次大戦終結までの辺りである。

登場人物も興味深い人間が多いし 陰謀や歴史上の

闇の部分も多い。

その熱い部分に作家生命を賭けた船戸さんの

大作に私はついに手をかけてしまった。

 

第一巻 風の払暁を読了した感想は 全体の中で

のイントロダクションというべき章だと思った。時代背景やメインの登場人物の背景。

登山で言えば登山口に到着した感じ。これから激しい歴史のうねりの中に飲み込まれそうで

ワクワクしている。第二巻 事変の夜 は既に手元にある もともと遅読なのでのんびりと

読んでいくつもり。